「キャリアコンサルタントになりたいけれど、何から始めたらいいのかわからない…」
そんな方のために、この記事では国家資格キャリアコンサルタントの取得方法・学習ロードマップ・合格ポイントをわかりやすくまとめています。
教育業界・人材業界でステップアップしたい方や、キャリア支援に興味がある方にぜひ読んでいただきたい内容です。
キャリアコンサルタント=「キャリアの伴走者」になる国家資格
「そもそも、キャリアコンサルタントってどんな資格?」
実際資格を目指そうと考えていても、自信を持って資格の説明をできる方って少ないのではないでしょうか。
ここではまず、キャリアコンサルタントがどのような資格なのか、簡単に説明しておきます。
キャリアコンサルタントは、一言でいえば「個人の人生(キャリア)の節目に寄り添い、自律的な選択を支援する専門家」です。
ここでポイントになるのは、単に「キャリコン=伴奏者」であることです。
相談者が「自分はどう生きたいか」「どんな強みがあるか」に気づき、主体的にキャリアを築けるようサポートする必要があります。
つまり、必ずしも仕事を紹介する役割ではありません。
では、キャリアコンサルタントが具体的にどのよな場所でどのような役割を果たしているのか。
下記の表に、ほんの一部ですが、記載があります。
| 活躍する場所 | 具体的な役割 |
| 企業(人事・相談窓口) | 社員のキャリア形成支援、メンタルヘルス対策、育休復帰支援など。 |
| 需給調整機関(ハローワーク等) | 求職者への就職支援、自己分析のサポート、履歴書の添削など。 |
| 教育機関(大学・専門学校) | 学生の就職活動支援、キャリア教育の授業、進路相談など。 |
| 地域・若者支援機関 | ニート・引きこもり状態にある方や、再就職を目指す女性の支援など。 |
| 独立・副業 | 個人向けのキャリア相談(オンライン)、セミナー講師、ライターなど。 |
仕事の紹介が全てではないのは確かですが、現実問題としてそのような役割が求められる機会が多いのは事実です。
とはいえ、キャリアコンサルタントはまだまだ発展途上の資格です。
今後、さらに様々な役割が求められるようになる可能性は高いでしょう。
なぜ今、この資格が求められているのか?
どうして、キャリアコンサルタントが様々な役割を求められるようにあると言えるのでしょうか。
それには、社会情勢の変化が関係あります。
かつての「終身雇用」が当たり前だった時代とは異なり、現代は「キャリアの自律」が求められる時代です。
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働き方の多様化: 副業、フリーランス、テレワークなど選択肢が増えたこと。
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リスキリングの必要性: テクノロジーの進化により、常に新しいスキルを学ぶ必要が出たこと。
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人生100年時代: 長く働くために、中長期的なキャリアデザインが不可欠になったこと。
こうした背景から、自分一人では整理しきれないキャリアの悩みを、専門的な知見とスキルで解きほぐす「キャリアコンサルタント」のニーズは、官民問わず急拡大しています。
・キャリコンは「誰かに答えを教える」のではなく、「相談者自身が答えを見つけるのを手伝う」仕事。
・「聴く技術(傾聴)」は、仕事だけでなく人間関係すべてに活かせる一生モノのスキル。
キャリアコンサルタントになるための3つのステップ
では、ここからは具体的にキャリアコンサルタントになるための方法を3つのステップで解説していきます。
キャリアコンサル担のなり方は以下の通りです。
・受験資格を得る
・国家資格試験(筆記+実技)を受験する
・合格後に登録する
それぞれ解説していきます。
STEP1:受験資格を得る(必須)
実はキャリアコンサルタントは誰でも受験できるわけではありません。
受験資格を得るためには、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
1.養成講習修了ルート
2. 実務経験ルート
3. 技能検定合格ルート
それぞれ解説していきます。
1. 養成講習修了ルート(未経験から目指すならこれ!)
厚生労働大臣が認定する「キャリアコンサルタント養成講習」を修了することで受験資格が得られます。
一般的には、最も多くの方が養成講習を受講することで、受験資格取得を得ています。
・職務経験を問わず、誰でもチャレンジ可能
・150時間程度のカリキュラム(座学+実習)※スクールによって差がある
・全国各地のスクールで開講されており、オンライン受講も増えている。
2. 実務経験ルート(独学で挑戦したい実務者向け)
「キャリアコンサルティングに関する実務経験」が3年以上ある方は、講習を受けずに直接受験できます。
ただし、「単なる相談」ではなく、専門的な支援とみなされるかが重要です。
いかに、具体的に実務経験とみなされる場合とみなされない場合をまとめます。
・企業内での支援: 従業員に対するキャリア開発の相談、人事評価面談でのキャリア形成支援。
・需給調整機関:ハローワーク、人材紹介・派遣会社での職業紹介やキャリアカウンセリング。
・教育・公的機関:大学のキャリアセンターでの就職支援、若者サポートステーションでの相談業務。
・一般的な採用面談:企業の採用合否を判断するだけの面接。
・教育・研修の講師: 知識を教えるだけで、個別のキャリア形成を支援していない場合。
・事務・営業業務: 人材派遣の営業(企業開拓)や、契約書の作成などの事務作業。
・情報提供のみ:受付窓口などで、単にパンフレットを渡したり施設案内をしたりする業務。
3. 技能検定合格ルート(ステップアップを目指す方)
「キャリアコンサルティング技能検定(1級または2級)」の学科試験または実技試験のいずれかに合格している場合も、受験資格が与えられます。
すでに技能士を目指して勉強されている方や、以前に挑戦して一部合格を持っている方向けのルートです。
技能士からキャリアコンサルタントを目指す方はあまりいませんので、ほとんど使われることはないルートと考えてください。
STEP2:キャリアコンサルタント国家資格試験(筆記+実技)を受験する
いずれかの形で、キャリアコンサルタント国家資格試験の資格を得たら、実際に試験を受験します。
試験は年3回(3月・7月・11月)実施されます。
試験は、学科および実技試験が課され、どちらも合格する必要があります。
それぞれ簡単に解説します。
筆記試験(学科)
学科試験は、試験時間100分の50問の四肢択一(マークシート方式)です。
学科試験の合格点は70点(35問正解)となっています。
キャリアコンサルティングの社会的意義、理論、実務、倫理と行動、職業能力開発促進法・関係法令など多岐にわたり出題されますが、合格率は60〜70%で推移しており、しっかり学習すれば十分合格できる試験と言えます。
実技試験(面談ロールプレイ)
実技試験は、大きく分けて論述試験と面接試験の2種類がおこなわれます。
論述問題は、試験時間50分で事例記録を読み取り、設問に答えていく形式です。
面接試験は、キャリコンとしてクライアントと実際に面談するシーンを15分間おこない、その後5分間の口頭試問が実施されます。
実技試験は、平均で60点以上取れば合格です。
合格率も65%前後と、学科試験と比べても決して低いわけではありません。
ただし、学科試験のように明確な答えがあるわけではないため、合格発表まで結果がどうなるのか想像がしにくいです。
そのため、実技試験面談練習の質が合否を分けるポイントと言えます。
STEP3:合格後に登録して資格取得
キャリアコンサルタントには、試験に合格しただけでもなれません。
所定の方法に従って、キャリアコンサルタント名簿に登録すると正式に資格取得となります。
その後は、企業・教育機関・公的機関・独立など、幅広いキャリアパスが開けます。
キャリアコンサルタント資格取得後のキャリアパス
キャリアコンサルタントの資格は「取って終わり」ではなく、そこから先の広がりが非常に大きいのが特徴です。
ここからは資格取得後のキャリアパスについて、確認していきましょう。
今回は、代表的な活躍の場を5つのパターンで見てみます。
| 活躍フィールド | 主な職場 | 支援対象 | 主な役割・価値 |
| 1. 企業内 | 人事部、総務部、相談室 | 自社の従業員 | キャリア開発(セルフ・キャリアドック)、離職防止、育休復職支援 |
| 2. 需給調整機関 | 人材紹介・派遣会社 | 求職者・採用企業 | キャリアの棚卸し、マッチング支援、レジュメ添削・面接対策 |
| 3. 教育機関 | 大学、専門学校(キャリアセンター) | 学生 | 就職活動支援、自己分析サポート、キャリア教育の企画・運営 |
| 4. 公的就労支援 | ハローワーク、ジョブカフェ | 一般求職者、若者、高齢者 | 職業相談、再就職支援、社会復帰に向けた伴走支援 |
| 5. 独立・フリー | 自宅、シェアオフィス、契約企業 | 個人、法人 | 研修講師、キャリアコーチング、Webメディアでの執筆・監修 |
それぞれ解説していきます。
1. 企業内キャリアコンサルタント
企業の人事部や総務部に所属しながら、自社の従業員を支援するスタイルです。
厚生労働省が推進する「セルフ・キャリアドック(定期的なキャリア面談)」の導入に伴い、ニーズが高まっています。
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主な役割: 従業員のメンタルヘルス支援、育休復職支援、シニア層の活性化、社内研修の企画。
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やりがい: 組織の一員として、社員の成長や組織の変革を長期的に見守ることができます。
2. 需給調整機関(人材ビジネス)
人材紹介会社や派遣会社で、求職者と企業の「マッチング」を担います。
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主な役割: 求職者のキャリア棚卸し、レジュメ添削、面接対策、企業への推薦。
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やりがい: 市場価値に基づいた具体的なアドバイスを行い、人の人生が好転する瞬間に立ち会えます。ビジネススキルと対人支援スキルの両方が磨かれます。
3. 教育機関
大学、短大、専門学校のキャリアセンター(就職課)などで、学生の進路を支援します。
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主な役割: 就職相談、自己分析のサポート、学内企業説明会の運営、インターンシップの推進。
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やりがい: 「何をしたいか分からない」という学生が、自己理解を深めて自分の道を見つけ出す過程を伴走できる、教育的側面が強い仕事です。
4. 公的就労支援機関
ハローワークや「若者サポートステーション」などの公的な窓口で、幅広い層の就労を支援します。
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主な役割: 離職中の求職者への職業相談、再就職支援セミナーの講師、福祉的な支援が必要な方への相談。
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やりがい: 社会復帰の第一歩を支える、非常に社会貢献度の高い役割です。多様な人生経験に触れることで、コンサルタントとしての懐も深まります。
5. 独立・フリーランス
特定の組織に属さず、自分の専門性を活かして活動する道です。
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主な役割: 企業向けのキャリア研修講師、個人向けの有料キャリアカウンセリング、Webメディアでの執筆や監修。
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やりがい: 自分の得意分野(例:IT業界特化、主婦の再就職特化など)をブランド化し、自由に働き方を設計できます。他の資格(FPやIT系資格など)との掛け合わせで、より独自の価値を発揮しやすくなります。
合格までのおすすめ学習スケジュール(6ヶ月)
では最後に、キャリアコンサルタント合格に向けた学習スケジュールを確認していきます。
国家資格キャリアコンサルタント試験の合格を目指すなら、準備期間として「6ヶ月」を見ておくと、仕事や家事と両立しながら無理なく学習を進めることができます。
多くの受験生が通う「養成講習(約3ヶ月)」を軸にした、理想的なスケジュールは以下の通りです。
※養成講習を通う前提としています。
【一目でわかる】6ヶ月間のロードマップ
① 1〜3ヶ月目:養成講習を完走する
まずは3ヶ月間の講習をしっかり修了し、受験資格を得ることが最優先です。この期間はスクールの予習・復習に集中しましょう。
養成講習の内容はもちろんのことですが、ここで出会う仲間は、後の「ロープレ練習」の貴重なパートナーになります。
ぜひ同期とのつながりも作っておいてください。
② 4ヶ月目:学科試験のベース作り
講習が終わったら、本格的に学科試験の勉強を開始します。
まずは過去問を解き、自分の得意・不得意を把握するのが効率的です。
その後は、不得意を中心に、書店に並ぶ問題集やオンライン上にある参考書(有料も含む)などを活用して、学習に取り組んでください。
③ 5ヶ月目:実技(論述・面接)の訓練
学科と並行して、実技試験の準備を始めます。
論述は書く練習、面接(ロールプレイ)は実際に声を出す練習が必要です。
今は、オンライン上での自主勉強会なども多く開催されています。
様々な場所を活用し、練習を重ねてください。
④ 6ヶ月目:ラストスパート
試験直前期は、学科の暗記項目の最終チェックと、時間配分を意識した論述・面接の調整を行います。
体調を整え、万全の状態で本番を迎えましょう。
まとめ〜キャリアコンサルタントを目指すあなたへ〜
ここまで、キャリアコンサルタントになる方法について、解説していきました。
キャリアコンサルタントは、人の人生の転機に寄り添う大切な仕事です。
相談者の表情が前向きに変わる瞬間は、本当にやりがいがあります。
興味を持った今がチャンス。
まずは養成講座の資料請求から始めてみてください。