「15分間のロープレ、全然うまくいかなかった……」
そんな絶望感の中で迎える口頭試問。
しかし、ここで諦めるのはまだ早すぎます。
口頭試問は、感想を述べる場ではありません。
ロープレで起きたことを客観的に振り返り、プロとしての視点を証明する「逆転のステージ」です。
実は、ロープレが多少ボロボロでも、口頭試問で「何が起きていたか」を論理的に説明できれば、合格圏内に滑り込むことは十分に可能です。
今回は、口頭試問の本来の役割から、団体別(協議会・JCDA)の「魔法のテンプレート」、そして本番で言葉を詰まらせないための練習法までを網羅的に解説します。
口頭試問の本当の役割:試験官は何を見ているのか?
そもそも、なぜ試験には「口頭試問」があるのでしょうか?
それは、あなたが「メタ認知(自分を客観的に見る力)」を持っているかを確認するためです。
キャリアコンサルタントには、目の前の相談者に没入するだけでなく、一歩引いた視点で「今、面談で何が起きているか」「自分の関わりがどう影響したか」を把握する力が求められます。
試験官は以下の3つのポイントを厳しくチェックしています。
一貫性: 相談者の主訴、自分の見立て、今後の方針がズレていないか?
誠実さ: 自分の未熟さを認め、それを改善しようとする姿勢があるか?
つまり、口頭試問は「反省会」ではなく、あなたのプロとしての「視点」をプレゼンする場所なのです。
裏を返せば、面接官もロープレが何の問題もなく、実施される受験生がいるとは思っていません。
実際、団体によって多少の違いはあるものの、口頭試問にも大きな点数が割り振られています。
【キャリアコンサルティング協議会】魔法のテンプレート
口頭試問の重要性がわかったところ、具体的にどのように答えていけば良いのかを確認していきます。
まず、そもそもキャリアコンサルタントの登録団体には、「キャリ協」、「JCDA」の2種類があり、それぞれ口頭試問の内容が異なります。
ただ、いずれの団体においても重要となることは
ことです。
その辺りを意識していただきながら、まずは「キャリ協」からみていきましょう。
① できたこと
できたこととして受験生がよく挙げる内容としては、
・ラポール形成
・自己理解、仕事理解の促進
などがあります。
内容についてはそれで問題ありませんので、そこを具体的に伝えるようにしてください。
② できなかったこと
できなかったことに受験生がよく挙げる内容としては、
・自分の聞きたいことを聞いてしまった
・堂々巡りになってしまった
・〇〇理解を深めることができなかった
などがあります。
こちらに内容としては問題ありませんので、具体的な内容を交えて話すようにしてください。
③ 今後の方針(目標と方策)
面談ロープレは15分で終了となりますが、実際の現場では、支援は継続します。
つまり、15分後も面談を継続していく能力は、試験官としては当然確認しておきたいことです。
今後の方針に関しても、クライアントの相談内容を的確に捉え、具体的な内容で話せるように準備しておきましょう。
【JCDA】魔法のテンプレート
JCDA(日本キャリア開発協会)のキーワードは「経験代謝」と「自己概念」です。
相談者の内面にどれだけ迫れたかをアピールしましょう。
ここでも、先ほど紹介した通り、具体的にいうことを心がけてください。
(1)できたところ、できなかったことは何ですか?
質問内容はキャリ協と同じですが、JCDAはできたこととできなかったことが同時に質問されるのが特徴です。
そもそもJCDAの方が質問数が多いため、キャリ協に比べると多少端的にお伝えする必要があります。
とはいえ、キーワードを拾うなど、具体的に伝えるということは忘れないようにしてください。
(2)クライエントの来談目的と主訴は何ですか?
この質問はJCDA特有の質問となっております。
同じに感じてしまう来談目的と主訴ですが、多くの場合異なります。
たとえば、資格の取得を目的としている人がいる場合、その裏側には「資格をとって稼ぎたい」という思いがあったりします。
キャリアコンサルタントは、この違いにしっかり気づく能力が求められます。
しっかりと違いを把握し、口頭試問で伝えるようにしてください。
(3)この先カウンセリングを続けるとしたら、どのように展開しますか?
この質問も基本的にはキャリ協と同じものです。
先ほど説明した通り、実際の面談は継続していきます。
どのような支援をおこなっていきたいのか、具体的に話せるようにしておきましょう。
(4)この資格を取得できたら、どのように活かしますか?
この質問については、唯一事前に事前に準備をおこなうことが可能です。
資格を取得したらどのような活動をしていきたいのか、1分程度で、自分の言葉でお話ししてください。
口頭試問の練習方法:本番で「詰まらない」ために
ここまで団体別に口頭試問のテンプレートを紹介していきました。
しかし、いくらテンプレートを知っていても、本番の緊張感の中でその通り話すのは至難の業です。
そこで、大事になってくるのが日々の練習です。
以下の3ステップで「喉」に言葉を覚えさせましょう。
① 「5分間プレゼン」の習慣化
ロープレ練習のあと、必ず「5分間」で上記のテンプレートを使い切って話す練習をしてください。
時間を計ることで、不要な言葉を削ぎ落とし、エッセンスだけを伝える力が養われます。
最初からうまく5分間話せなくても問題ありません。
繰り返し練習していくことで、感覚を身につけていくことを意識してみてください。
② 録音の「逐語書き出し」と「自己採点」
自分のロープレを録音し、それを文字起こししてみてください。
視覚化することで、「あ、ここが見立てと矛盾している」といった論理のズレに気づくことができます。
文字起こししたものを、改めて声に出して読み直すのも良いでしょう。
③ キーワードの「音読」トレーニング
協議会なら「自己理解不足」、JCDAなら「自己概念」といった専門用語を口頭試問に取り入れることで、アピールに繋げることもあるでしょう。
ただし、使い慣れていない言葉を無理に使用すると、つながりのおかしい言葉になってしまい、結果的に試験管への印象を下げることになります。
専門用語については、普段の練習から積極的に取り入れるようにすることで、言い回しに慣れておくと良いでしょう。
まとめ:最後の5分まで「キャリコン」であれ
口頭試問が始まった瞬間、あなたは「受験生」から「一人のプロフェッショナル」へと意識を切り替えなければなりません。
たとえロープレで失敗しても、誠実に自分の関わりを振り返り、相談者の未来を真剣に考える姿勢があれば、その想いは必ず試験官に伝わります。
試験終了のチャイムが鳴るその瞬間まで、自分を信じて、プロとしての言葉を届けてきてください。