・薬学部の入試難易度
・薬学部に入学してどれくらいの人が薬剤師の資格をとることができるのか
・薬学部に英語は必要か
国家資格でもある、薬剤師の資格取得を目指して、薬学部に進学を希望する高校生も多いと思います。
とはいえ、人の命に関わる“薬”を扱う資格ですので、薬学部に入学するだけでも、相当難易度が高いと思ってしまいますよね。
実際とのところはどうなのでしょうか?
今回は、薬学部の入試難易度、資格取得の難易度、英語の必要性について、解説していきます。
難しい?薬学部への合格
では、さっそく本題である、薬学部には合格しやすいかどうかについて、解説していきます。
結論として、薬学部へは
と言えます。
その理由は、次の2つです。
・入試科目の対策がしやすい
・偏差値が低い大学もある
それぞれ詳しく解説していきます。
入試科目の対策がしやすい
薬学部の場合、受験科目は英語・数学(ⅠA/ⅡB)・化学となることが、ほとんどです。
理系の学部に進学を希望する場合、数Ⅲまで必要なことが多いですが、それが必要ないというのは、数学が苦手な人にとっては、ありがたいですね。
また、化学に関しても、出題のメインが有機化学・無機化学から多く出やすいため、対策が非常にしやすいのが特徴です。
[近畿大学薬学部☆化学☆頻出分野] 頻出分野は平衡です。
また、無機化学については
詳しい精錬方法などが
出題されるので注意してください。難易度は標準レベルです。
— 全国大学入試問題傾向分析プロジェクト (@gakkon_keiko) April 6, 2020
問題のレベルも、簡単とは言いませんが、決して難しいわけではないので、しっかりと受験勉強をすれば、十分合格を目指せると言えます。
薬学部の入試にはマジで太刀打ちできないような問題は他の学部と比べて少ないように思えます!
それは逆に言うと、簡単な問題をどれだけ間違えないかが勝負の分かれ目となります!
全国の受験生のみなさん、最後まで諦めず頑張ってください🌸#頑張れ受験生 pic.twitter.com/t7KkrA61Ic
— ちぇすな (@6chestnut7) January 31, 2020
大学受験というのは、幅広い学習が求められることが多いので、ある程度範囲を絞って学習できるというのは、ありがたいですよね。
偏差値が低い大学もある
薬学部と聞くと、医学部と並んで、偏差値が高いイメージがありますよね。
薬剤師は人の命を守る職業であり、失敗は許されないので、そのように思われるのは、当然ですよね。
しかし、実際はそんなことありません。
偏差値50以下でも入学できる薬学部は、結構あります。
詳しくは、以下のサイトで確認してみてください。
2025年薬学が学べる日本全国74大学の偏差値ランキング。私立・国公立大学 薬学部の偏差値を今すぐチェック!!パンフレッ…
以上のことから、薬学部への入学は、決して難しいわけではありません。
薬学部に入学すれば将来安定は嘘!?薬剤師になれる可能性は高くない
いくら入学はしやすいといっても、入学後は6年間通うことになるので、時間も学費も、他の大学に比べればかかってしまいます。
にもかかわらず、卒業後に薬剤師の資格をとることができない、となれば困りますよね。
実際に、薬学部を卒業時、平均して80%程度の人が薬剤師の国家試験に、合格しています。
この数字だけをみると、努力さえすれば、十分にとれる資格だと思うかもしれません。
しかし、この数字少しだけカラクリがあります。
そもそも、薬学部を6年間で卒業できる人は、入学者の60%程度と言われています。
つまり、入学者の40%の人は、途中で退学してしまったり、留年してしまったりするのです。
それも加味して、薬学部に入学して、薬剤師の国家資格を6年間でとれる人の割合は、
となります。
ほぼ半分ということですね。
学費1000万円払って、合格する可能性50%の国家資格と考えると、決して入学しただけで安定するわけはない、ということになります。
甘い考えで、入学を考えることは避けるべきです。
合格率を高めるためには偏差値の高い大学を目指した方がよい
ただ、48%というのは平均ですので、実際は大学によって合格率に差があります。
そして、当然と言えば当然なのですが、入試が難しい(=偏差値が高い)大学の方が、合格率が高くなります。
確実に薬剤師を目指していくのであれば、受験勉強に一生懸命取り組み、少しでも偏差値の高い大学に合格した方がよいでしょう。
薬学部に英語は必要?
薬学部は基本的には、薬について学ぶことになりますので、英語はあまり必要ないように、思いますよね。
実際、薬学を学ぶ上で、英語ができる必要はほとんどなく、大切なのは化学であることは、事実です。
とはいえ、英語は勉強する必要はないのかというと、そんなことはありません。
新しい薬の知識が、常に日本語に翻訳されているとは限らないからです。
薬を作りために、英語で書かれた論文を読む必要があるかもしれません。
海外の学会へ参加する必要があるかもしれません。
薬を開発すること自体には必要なかったとしても、そのように英語を利用する機会は十分にあると考えられます。
逆に言えば、英語ができることで、任される仕事量が増え、あなたの市場価値が高まる可能性が高いのです。
「将来絶対使わないから」と決めつけることなく、英語の学習もしっかりとおこないましょう。
英語の具体的な学習方法については、以下の記事を参考にしてください。
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まとめ
今回は、薬学部の入試難易度、資格取得の難易度、英語の必要性について、解説していきました。
もう一度整理すると、
・薬学部の入試は、決して難しくない。
・薬学部は比較的入りやすいが、6年間で薬剤師になれる人は、入学者の半分程度である。
・薬学部とはいえ、海外に行く機会もあるので、英語の勉強は続けておいた方がよい。
となります。
将来が安定するということは、決してありません。
学費もかなりかかりますので、薬学部へ入学を考えるのであれば、十分に考えるようにしましょう。
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