子どもにっとては、大きな決断が必要となる進学校の決定。
保護者の方にとっても、他人事ではないですよね。
保護者の方が受験生のときは、私立高校は公立高校へ進学できないような生徒(=不良)が進学する場所だったので、私立高校で悩むことは、なかったかもしれませんが、今は時代が変わり、私立高校もどんどんと実績を残すようになってきました。
そうなると、進路の幅が広がり、どの高校へ行かせればよいのか、悩んでしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
実際、公立高校と私立高校、どちらへ進学させるのが正しいのでしょうか?
今回は、公立高校と私立高校、進学させるなら、どちらがよいのかについて、解説していきます。
私立高校と公立高校進学させるならどっち?
ではさっそく結論から言います。
私立高校と公立高校、通った方がよいのは、
です。
その理由は、次の3つです。
・先生のやる気がある
・環境がよい
・学費は高くない
それぞれ解説していきます。
先生のやる気がある
公立高校の先生は、よくも悪くも、普通に仕事をしておけば、あとは年功序列で給与が決まります。
一生懸命やってもやらなくても、給与は変わらないと言われれば、おそらくやらない人の方が多いのではないでしょうか。
つまり、公立高校の場合、一生懸命な先生に見てもらえるかどうかについては正直、運です。
それに対して、私立高校の場合は、生徒の成果(=大学進学実績など)が、評価に直結することが多いです。
つまり、先生たちは明確な目標に向かって、子どもたちの指導をしますので、一生懸命に生徒と向き合ってくれる先生の割合は高くなります。
つまり、やる気のある先生に指導してもらえる可能性が、高くなります。
環境がよい
私立高校と公立高校の最も大きな違いは、設備環境でしょう。
私立高校は、コンピュータ機器が充実しているため、ICT教育も積極的に取り入れられています。
これにより、学校の授業はもちろん、それ以外の時間においても、学習できる環境が整えられています。
公立高校の場合は、必要最低限の学習環境しか与えられていないため、学習環境がよいとは言えません。
学習環境を整えたいのであれば、間違いなく私立に通った方がよいでしょう。
学費は高くない
たしかに、設備がよいということは、それだけ費用がかかるのは事実でしょう。
実際、私立に通った方が、公立に通うよりも、倍以上費用がかかると言われています。
これだけ聞くと、学費は高いなと思ってしまうかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
2020年4月より、“私立高校授業料実質無償化”が実施されています。
世帯年収590万円以下という制限はありますが、この制度により、私立高校に通った際の費用負担が大幅に減ったことは、間違いありません。
また、公立高校に通いながら塾や予備校に通うと、3年間で100万円程度かかることが多いです。
そうなると、結局私立高校に3年間通うのと、同じくらいの費用がかかることになります。
そう考えると、私立高校の学費は決して高いわけではありません。
むしろ、本気で大学進学を目指すのであれば、私立高校を選んだ方が、コスパ的によいと言えます。
公立高校に通った方が良いのはどんな生徒?
ここまで私立高校に通った方がよい理由について、解説していきました。
私立の良さが、ご理解いただけたのではないかと思います。
とはいえ、これでは公立高校の存在自体を、否定するように聞こえてしまうかもしれません。
しかし、決してそんなことはありません。
公立高校に通った方がよい生徒ももちろんいます。
具体的には、次のような生徒です。
・大学進学を一切考えていない生徒
・志望校が既に決まっている生徒
・塾や予備校に通いたい生徒
それぞれ解説していきます。
大学進学を一切考えていない生徒
大学進学率は年々増加傾向にあり、今では50%を超えています。
引用:大学や短期大学への進学率の推移は?男女や現役、浪人での数字はどうなっている?
しかし、逆に言えば50%程度の生徒は大学進学(短大含む)を希望していない、ということになります。
私立高校は基本的には大学進学を目標にしたカリキュラムが組まれていますので(専門科の学校を除く)、大学進学を望まない生徒にとっては、ただの苦痛の授業になってしまう可能性が高いです。
大学進学をする気が無いのであれば、公立高校に進学して、専門学校への進学や就職準備などに時間を費やした方が、よりよい高校生活を送ることができるでしょう。
志望校が既に決まっている生徒
中には、中学生の段階である程度、通いたい大学が決まっている場合もあるでしょう。
そういった場合、志望校がよほど上位校でない限りは、公立高校へ進学した方が良いかもしれません。
というのも、先ほど説明したとおり、私立高校は実績重視の部分があります。
そのため、中には、生徒の希望を考えずとにかくレベルの高い大学への進学を勧めてくる先生もいます。
先生に勧められると、なかなか断るのが難しくなってしまいますよね。
結果として、自分のやりたいことが、できなくなってしまう場合もあります。
上位の大学へ進学することは、今では必ずしも正解とは言えなくなっています。
それよりも、自分のやりたいことが実現できる大学へ進学した方がよいでしょう。
ですので、志望校があらかじめ決まっているのであれば、公立高校に通い、確実にその目標を達成するように努力してください。
塾や予備校に通いたい生徒
中には、中学生のときにお世話になった塾が居心地がよくて、そのまま通いたいと思う子もいるでしょう。
もちろん、私立に通いながら通塾することは可能ですが、やはり経済的な負担になる可能性が高くなります。
ですので、高校生になっても、塾に通いたい場合には公立高校に通った方が良いでしょう。
また、中には河合塾や東進ハイスクールなどの大手予備校に通って、勉強することに憧れている子もいるでしょう。
予備校に通うよりも、費用面では私立高校に通った方が助成金制度の関係などで、お得になりますが、それでも予備校に通うことが、学習へのモチベーションにつながるのであれば、そういう選択もよいと思います。
その場合は、公立高校に通うのも、一つの選択肢となります。
私立高校と公立高校どちらに向いているのか分からなかったら・・・
たしかに、状況によっては、子どもにとって公立高校と私立高校どちらが向いているのか、分からない場合もあると思います。
そういう場合、一番よいのは
です。
特に、学習塾に行けば、プロが進路指導をしてくれますので、子どもに合った学校を提案してくれます。
もちろん、通っていた方が、その子の性格も含めて判断してもらえるので、より適切なアドバイスを貰えます。
ただ、仮に通っていなくても、直近の学習状況や、条件(部活動や自宅からの距離など)を確認して、より最適な進路を指導してもらえるでしょう。
相談だけなら無料であるケースが多いので、本当に困っているのであれば、まずは学習相談だけでも、学習塾にいってみてください。
答えがもらえる可能性があります。
まとめ
今回は、公立高校と私立高校、進学させるなら、どちらがよいのかについて、解説していきました。
もう一度整理すると、
・公立高校と私立高校であれば、私立高校に進学させた方が良い
・ただし、大学進学を望まない場合など、状況によっては公立高校を選んだ方が良い場合もある
・どちらがよいか分からなければ、学習塾に聞いてみるのがよい
となります。
高校選びは、子どもの未来を決める、一つの大きな選択となります。
決して妥協はせずに、子どもに合った学校を選ぶようにしてください。