進路アドバイザー検定は、その名前の通り、高校生などの若者に、進路指導を行う者に向けて作られた資格試験です。
とはいえ、資格自体がまだ比較的新しいため、なかなか認知されていないのが、現状でしょう。
しかし、この資格試験の勉強すれば、それだけで進路指導の知識が身につくので、非常に良いと言われています。
落ちると恥ずかしいので黙ってましたが、進路アドバイザー検定に合格しました。入試制度などは問題ありませんでしたが、奨学金制度や就職のことは難しかった!知らなかった知識もインプット出来たので、良い勉強になりました。#大学受験 #塾 #松本市
— 塾×D−edu (@juku_janai_Dedu) April 18, 2020
そこで今回は、今注目の進路アドバイザー検定について、分かりやすく解説していきます。
進路アドバイザー検定とは?
そもそも進路アドバイザーと言われても、名前しか知らない人も多いでしょう。
まずは、進路アドバイザー検定とはどういった趣旨で、実施されているのかを、説明します。
公式ホームページには次のように明記されています。
高校生をはじめとする若者の進路に関してアドバイスをする立場の人が、身につけていてほしい進路に関する情報や知識を確認するための検定です。
高校や塾、予備校の先生などは進路指導をする機会が多々あると思います。
しかし、進路指導に関しては、多くの場所で研修などは実施されませんので、正直担当する先生によって、かなり指導にバラツキがあるのが実情です。
とはいえ、子どもにとっては一生に一度の選択を迫られている訳ですから、先生によって当たり外れがあるという状況は困りますよね。
そこで登場したのが、進路アドバイザー検定です。
進路アドバイザー検定は、2011年よりスタートした、比較的新しい検定です。
この検定試験に合格している人であれば、進路に関する知識を一通り学んでいるということになるので、安心して進路指導を任せることができるようになります。
つまり、先生はこの資格を持っているだけで、生徒や保護者からの信頼が高くなるということです。
国家資格ではないので、検定に合格したからといって、就職に有利になる、といったことはありませんが、進路指導に携わる人であれば、進路アドバイザー試験に合格しておくだけで、大きな信頼を得ることができます。
難しい?進路アドバイザーになるための試験内容は?
進路アドバイザーとしての資格を得るためには、当然検定に合格しなければなりません。
ここで、資格試験について、具体的に説明していきます。
まず、試験の概要は以下の通りです。
試験日程 | 毎年9月・2月(年2回) |
試験時間 | 13:30~15:00(90分) |
受験資格 | なし |
受験料 | 3900円(税込) |
出題区分と配点 | 学校に関する基礎知識(100点)
入試に関する基礎知識(100点) 学費に関する基礎知識(100点) 職業に関する基礎知識(100点) 就職の現状に関する基礎知識(100点) 進路指導・キャリア教育の基礎知識(100点) |
出題形式 | 4択択一※一部、8択択一 |
合格基準 | 以下の①②を両方満たした場合に合格
①総合得点420点以上(600点満点の70%以上) ②各区分の得点がいずれも60点以上(100点満点の60%以上) |
特徴として、合格するためには、全体の70%(420点)以上かつ、各区分(6区分)でそれぞれ60点以上の点数をとる必要があります。
例えば、合計点が450点であっても、1区分でも60点以下があれば、不合格となります。
検定試験に合格するためには、苦手を作らないようにする必要があります。
とはいえ、マークシート形式のため、記述問題はなく、その他の実技試験もありませんので、対策はしやすい試験と言えます。
受かりやすいの?進路アドバイザーの合格率
試験としては、総得点だけではなく分野別で高得点を取らないといけないため、難しいように感じますが、実際の合格率はどうなのでしょうか?
参考に、16回目と17回目の合格率を見ていきましょう。
申込者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 平均点 | |
第16回 | 495名 | 425名 | 197名 | 46% | 415.9点 |
第17回 | 449名 | 394名 | 106名 | 27% | 372.5点 |
たしかに、合格率が明らかに違うと、気になりますよね。
しかし、難易度が違うということは、ほぼないでしょう。
そのように言える理由は次の3つです。
・受験者数
・受験資格
・時期
それぞれ解説していきます。
受験者数
そもそも、受験者数400人前後と、一般的な資格試験と比べるとかなり少ないです。
受験者数が少ないと言うことは、当然合格率も大きく変動しやすくなります。
つまり、20~40%程度は、ブレが起こってもおかしくはない確率と考えて問題ありません。
受験資格
受験資格が特になく、その気があれば、誰でも受験できる試験です。
そうなると、進路指導の経験がほぼないような人でも受験ができてしまいます。
つまり、その回にたまたま、進路指導の経験が全くないような人が、多く受験している可能性は十分にあると考えられます。
時期
16回目は9月受験なのに対して、17回目は2月受験でした。
2月といえば、中学生や高校生にとってはまさに受験本番のシーズンです。
そして、塾や高校で働いている先生は、11月~翌年1月にかけては、とても忙しくなります。
つまり、資格試験の勉強に時間があまり割けないのです。
そうなると、十分勉強できないまま、試験に臨むことになりますので、結果として合格率が落ちている可能性は十分にあると、考えられます。
その他、詳しい情報につきましては、公式ホームージをご確認ください。
先生だけじゃない!保護者の方にもオススメの検定
最後に補足として、説明させていただきます。
進路アドバイザー検定の資格に関しては、基本的に進路指導に携わるような、先生や塾の講師が習得を目指すもので、間違いはありません。
しかし、進路についてのアドバイスは、保護者の方が行う場合もあると思います。
そういった点では、先生や講師だけではなく、子どもを育てる“保護者の方”であっても、資格の取得を目指しても良いと思います。
とはいえ、そこまでしたくないという人も多いと思います。
そういった方は、テキストで勉強するだけでも良いでしょう。
『進路アドバイザーのための基礎知識』というテキストには、進路指導に役立つ情報がたくさんあります。
お子様の大事な未来を決めるために、親としても知識を得たいという方であれば、十分役に立つ1冊です。
是非、手にとってみてください。
まとめ
今回は、進路アドバイザー検定について、解説をしていきました。
もう一度整理すると、
・進路アドバイザーは、進路指導のプロと証明するための、資格である。
・進路アドバイザー検定は、全てマークシートによる問題だが、6個ある区分で、それぞれ点数を取らないと合格できない。
・進路アドバイザー検定の合格率は、回によってバラつきがあるが、概ね30%~40%程度と考えて良い。
となります。
進路アドバイザー検定に合格することで、子どもに自信を持って、アドバイスを、することができるようになります。
子どもの大事な未来を指導する職業の方は、積極的な受験を考えてみては、いかがでしょうか。