高校生になると避けては通れないのが、“文系”と“理系”の選択ですよね。
しかし、多くの学校が入学して間もなく、文系と理系の選択をせまってくるため、子どもたちも悩んでしまうことが多いのではないでしょうか。
そして、結局答えがでないまま、「とりあえず文系!」と選んでしまう子が多いのも事実でしょう。
今回は、文系と理系どちらを選んだ方が良いのかについて、解説していきます。
文理選択をする際の、参考にしてください。
そもそも文系と理系の違いって?
さっそく結論に行きたいところですが、そもそも文系と理系の違いってなんでしょうか?
もちろん科目が分かれるのは事実なのですが、それだけではありません。
文系と理系の違いについて、それぞれ具体的に解説していきます。
文系
文系は一言で言えば、“人”を対象にした学問です。
そのため人が作り出した歴史、文化、芸術などを深く学んでいくことになります。
具体的には、次のような学問を学びたい人は、文系に進みます。
・法学
・文学
・社会学
・教育学
・外国語
・(経済学)
※経済学は最近では理系分野だという主張が増えてきました。ここでは、文系の括りにしていますが、今後理系要素がより強くなる可能性があります。
文系は、理系に比べると比較的暗記を要するものが多いのも特徴と言えるでしょう。
理系
理系は一言で言えば、“モノ”を対象にした学問です。
そのため、主に自然現象について、深く学んでいくことになります。
具体定期には、次のような学問を学びたい人は、理系に進みます。
・理学
・工学
・農学
・医学
・薬学
・歯学
・看護
理学以外は、ダイレクトに職業へ結びつくことが多いのが、理系の特徴と言えるでしょう。
文系と理系選ぶならどっち?
たしかに、今は多種多様な職業があるため、まだ具体的にやりたいことが決まっていない子も多いでしょう。
しかし、その場合でも、ある程度の方向性は決まっている場合が多いです。
なんとなくでも決まっているのであれば、その道を進めば良いでしょう。
とはいえ、本当に何がしたいのか分からない場合は
を選んでおくことを、オススメします。
その理由は、次の3つです。
・途中で方向を変えやすい
・専門知識を身につけられる
・就職に有利
それぞれ解説していきます。
途中で方向を変えやすい
とりあえず理系を選んでおいた方が良いのは、文系から理系への転換よりも、理系から文系への転換の方が、圧倒的にしやすいからです。
実際、理系から文系への転換(通称:文転)を経て、大学へ合格している方も多いです。
法学部内定しました
文転です
第一志望だったので良かった… pic.twitter.com/sMnIsuhwwZ— とら (@tigers27929147) September 16, 2020
文系の方が楽という言葉をよく聞くので、それにつられて適当に文系を選んでしまう子が多いですが、もしも後で理系の道を目指したいと思ったときに、相当な苦労をすることになります。
少しでも理系に興味を持っている状態なのであれば、理系の道を選んでおいた方がよいです。
専門知識を身につけられる
先ほども説明したとおり、理系の場合、就職に直接つながるような学問が多いです。
仮にやりたいことが見つからなかったとしても、専門知識を身につけていれば、何かしらの仕事をすることができます。
文系で中途半端に勉強するよりも、理系を選んだ方が、将来困らない可能性が高いでしょう。
ただし、勉強は当然厳しいものになりますので、全く興味がない状態ですと続きません。
専門分野を選ぶ際は、需要があるものではなく、興味があるものを選んでください。
就職に有利
企業側としては、できれば即戦力に入社してほしいと考えています。
ですので、専門知識があるだけで、企業の評価は高まります。
さらに、理系の場合、厳しい授業を学んできた生徒がほとんどなので、その忍耐力も評価されやすいです。
結果として、理系の生徒の方が、“企業に評価されやすい=就職に有利”となります。
また、理系の方が、需要の高い“プログラミング”や“動画編集”に強い場合が多いので、結果として会社に必要とされることが多いです。
このことからも、理系に進んでおくことで、就職に困らなくなる可能性が高いことが分かります。
文系と理系は関係なくなりつつある
ここまで理系を選んだ方がよい、というお話をさせていただきました。
ただ、最近は文系と理系を分けること自体、無意味であるという意見が増えてきました。
まあ、あの理系か文系かという完全無意味な論争を、社会に出て久しいいい年した連中が延々やってるところも、日本の義務教育の限界の、ひとつのあらわれなんだと思う・・・「広く教養を積む」という感覚、なさそうだもんな。どうせ大学出てすぐなんて実社会じゃ何もできないのに。
— TrinityNYC (@TrinityNYC) August 19, 2019
たしかにその通りで、例えば数学の文章題を解くためには、文章を読解する力(国語)が必要ですし、世界の気候について学ぼうとすれば、当然天気の知識(理科)が必要となります。
つまり、文系に進もうが、理系に進もうが、結局はどちらの知識も必要になることが、ほとんどです。
にもかかわらず、文系に進んだ人は「もう数学は勉強しなくてよい」、理系に進んだ人は「もう国語は勉強しなくてよい」と思い込んでしまい、本当に勉強しなくなってしまう人が大勢います。
たしかに今までは、ほとんどの仕事を人の手でなしてきたので、それでよかったのかもしれません。
しかし、これからは人がやってきた仕事の多くを、機械が担うようになります。
そうなると、今までみたい「数学だけはできる」、「国語だけはできる」では、社会に出ても、活躍の場がほとんどなくなる可能性が高くなります。
「理系に進んだから、数学や理科だけ勉強すればよい」、「文系に進んだから、数学の勉強はしなくてもよい」という考え方は、非常に危険です。
どちらの道に進んだとしても、必要な知識は文系・理系関係なく学ぶ必要があることは、覚えておいてください。
まとめ
今回は、文系と理系どちらを選んだ方が良いのかについて、解説していきました。
もう一度整理すると、
・文系は“人”について、理系は“モノ”について学ぶと言われている。
・文系と理系は興味がある方を選ぶのが一番だが、どうしても分からないときは理系を選んだ方がよい。
・近年は文系と理系隔ては減ってきており、今後はどちらの知識も求められるようになる。
となります。
文理選択は、人生を決める大きな一歩です。
自分の夢を実現できるよう、正しい知識を持って、正しい進路を選ぶように、指導してください。